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無線工房

黒電話三代記




                                 
【 はじめに 】
世の中はスマートフォン全盛ですが、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚の五感の内、人間は生活情報の約70%を視覚に依存しているそうです。 

とにかく、画像と音は電気通信という手段で、とてつもなく発展してきました。

時代をさかのぼると、有線電話、映画館、ラジオ・テレビ放送は、100年〜50年以前の大きな出来事でした。

今回のお話は、「黒電話機」です。



 先ごろ「電気通信の自由化」に伴う電話機の購入見積書が見つかりました。

 一般電話網民営化と端末設備自由化(1985年 [昭60/4])に伴い
自宅の電話をNTTから買取る際の見積書です。(600-A2型1台)です。




1970年代までの「黒電話」は端末設備自由化後、急速にその姿を消して行きました。


  目 次  [ Index ] 

↓  click and jump
 1.☆ 黒電話機三代 ☆ 

♪ダイヤルの回転音♪

 2.☆ 比較黒電話機 ☆  

 (1) 外 観 

 (2) 内部構造 

 (3)  ダイヤル機構 

 (4)  送受話器 

 (5)  呼 び 鈴 

 (6)  ダイヤル数字盤 

 (7)  回 路 図 

 (8) その他のこと 

 (9) もっと昔の電話機 

 (10) もっとモット昔 

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 1.☆ 黒電話機三代 ☆ 

◆下の写真いかがです?  懐かしいですね!

ダイヤルの回る音、ベルの音響、受話器の重さ過ぎし日の思い出・・etc.

所有していますのは、写真の3台です。
どれも正常に動作しますが、現用はしていません。


● ダイヤルパルス信号発生機の回転音です。

♪ダイヤルの回転音♪
  クリック
 

再生順序は次の通り。
( 約30秒間再生 dial-sound.MP3)

@  3号 型 :「ゼ ロ」を4回/10pps

A 4号 A 型:「 同 上 」を4回/10pps

B 600号A2型:「 同 上 」を4回/20pps
 
残念ですが呼び鈴の音は、16Hz、75Vの呼出信号源がないため再現できません。
(Yuo Tube にはたくさんの事例がありますよ)

重たい受話器も、今となっては体験することが困難な懐かしい重量感ですね。

肩と首で挟んでホールドするなんて、芸人まがいの方もいました。

ジー・ガラガラ・・・と、ダイヤルの戻る機械的音には・・機械でパルスを送るという感慨深いものがありますね。

呼び鈴の音は、今では「スマートフォン」の着信音として使われており、電子音で聞けますが、上記の「ダイヤル回転音」はなかなか聞けません Hi Hi

 


 2.☆ 比較黒電話機 ☆ 

インターネットで検索 すると、それぞれの機種別にまとめられて一覧表の如く、完璧な説明されています。

ここでは、観点をかえて、写真を
各部位毎に並べます。  読者の皆様には、見づらいかも知れませんがご理解下さい。



 (1) 外 観 
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3 号型
自動式電話機     (沖電気製 重量≒2.0kg)

1933年(S8年)

送話器と受話器を一体化し、移動の自由度が高くなった電話機です。

電話機本体の持ち運びはには、把持部がなくて無理ですね。

電話機コードの材質は「布丸打」です。古びていても、傷んでいません。
 (昔、展示品だったのかも?)





4 号A型自動式電話機    (マツダ製 重量≒2.0kg)

1950年(S25年)

世界の水準をしのぐ電話機として、感度がとても高く“ハイ・ファイ電話機”とも呼ばれ、ケーブルの細心化にも大きく貢献しました。

(大戦後の電話機の需要増対応)




600-A2型自動式電話機  (東芝製 重量≒1.9kg)

1963年(S38年)

音声アナログ回線による単機能電話機としては、これ以上の性能向上は望めない水準で 「完成された電話機」 と言われました。






 (2) 内部構造         このページの先頭へ

【 3 号型 】



【 
4 号A型 】



【 
600-A2型 】 





 (3) ダイヤル機構     このページの先頭へ

【 3 号型 】



【 
4 号A型 】



【 
600-A2型 】 





 (4) 送受話器      このページの先頭へ

【 3 号型 】
送話器と受話器が一体化されたことが特筆できます。
黒電話の「スタイル」に大きく影響しました。



【 
4 号A型 】
送・受話器内の振動板にジュラルミンを用いることで共振周波数を高くし感度をあげたようです。



【 
600-A2型 】 





 (5) 呼 び 鈴       このページの先頭へ

【 
3 号型 】



【 
4 号A型 】



【 
600-A2型 】 





 (6) ダイヤル数字盤   このページの先頭へ

【 
3 号型 】
ダイヤルの中央には・・・
受話器を外してから廻転盤を右へ指止め迄廻してお放しなさい」
案内文が記されています。

 

【 
号A型 】
日本電信電話公社のロゴが目に付きますね!



【 
4 号A型の特色 】
持ち運びに便利な把持部が裏側に作られて約1.5kgの本体も楽に移動可能になりました。



【 
600-A2型 】 
円形数字盤中央の紙には、電話番号を書き込める罫線が2本引かれています。

罫線は黒色がA1(10pps)で、赤色がA2(20pps)です。

カールコードの採用も高評を博したようです。






 (7) 回 路 図       このページの先頭へ

【 電話機筐体内の回路図 】

電話機の内部には、以下のような回路図が貼り付けてあります。

【 3 号型 】




【 4 号A型 】




【 600-A2型 】




 (8) その他のこと        このページの先頭へ

 一般電話網民営化と端末設備自由化 ・・・1985年(昭和60年)

日本電信電話公社は日本電信電話株式会社 (NTT) へと民営化されました。

また、第二電電株式会社(現KDDI)をはじめとする「新電電」の参入が可能となりまた。

これに伴い、端末設備を1社が独占的に提供(レンタル)する従来の形態から、技術基準適合認定をクリアしているものであれば、自由に端末を選べる端末自由化も同時に果たされました。

その後、電話機はコードレスホン化が進み、また、留守番電話やファクシミリと一体となった多機能電話が主流となってきます。

さらに、電話機の主役そのものがこれら固定電話から携帯電話などの
移動体電話に移行しました。

1970年代までの「黒電話」は端末設備自由化後、急速にその姿を消して行きました。

 電話端末自由化で・・・
NTTからの電話機買取り時の見積書(
600-A2型1台)





 

◆  初期のプッシュホン 

1969年(昭和44年)、ダイヤルパルス信号に替わり音響トーン信号(DTMF発振器)を使用した押しボタン式電話機が導入されました。

「プッシュホン」という「愛称」が付けられました。

「ピ・ポ・パ」と言う言葉も生まれましたね。
 


◆  特 徴 

ダイヤリングは、数字ボタンを押すだけでよく、これによって特定の周波数の音声信号を発信し、これが交換機を作動させます。

ダイヤル数字のほか、2つの機能ボタンがあり、これは短縮ダイヤルなどのキー・ボタンの役を果たします。

*同系機種
プッシュ式ホームテレホン、 プッシュ式ビジネスホン
 
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 ●【 交換機のこと 】●  
 
自動交換は、ステップ・バイ・ステップ式交換機に加えクロスバー式交換機を用いたことにより加入者線の大量増強が可能となり、これには20ppsのパルスダイヤルで対応しました。

そこで従来の10ppsのダイヤルのモデルが600-A1型、20ppsダイヤルのモデルが600-A2型となったようです。

ただ、クロスバー交換機に10pps電話機を接続しても、20ppsの電話機よりダイヤルの戻りが遅いだけで支障はありませんでした。


さらに、クロスバー交換機の時代はステップ・バイ・ステップ方式に比べはるかに短く終わり、その後、半導体による無接点の電子交換機の時代になりました。

私は、昔の勤務のため。ステップ・バイ・ステップ式交換機とクロスバー式交換機の設置された交換機室に入ったことがあります。

記憶では・・・室内が交換機騒音(動作音)と空調エアコンが20[℃]に設定されていたことです。

この通信機械室は、エンジン発電機もあり、交換機の動作音がなければ、快適な部屋だったことでしょう!!





 9.もっと昔の電話       このページの先頭へ
以下は、元電電公社勤務でした友人からの「資料」です。
読者のご参考になれば幸いです。

今は自動でダイヤルを回せば(プッシュホンは押す)つながりますが、昭和20年代は方式が古く接続方法が違いました。

● 昔の電話のかけ方 ● 
「交換手」呼び出し表示器(Target)のこと 

@ まず送受話器をあげ電話機の磁石式発電機ハンドルを回す。

A すると発電された電気により、交換台の表示器が動作し発信者を知らせる。
これを交換手が確認する。

写真−1 交換手呼び出し表示器−正面


写真−2 交換手呼び出し表示器−側面


写真−3 交換手呼び出し表示器動作−側面


写真−4 交換手呼び出し表示器動作−正面


B 交換手は接続先の番号をお客様より聞いてその方面のジャクに接続線を挿入し相手交換手に着信相手を知らせる。

C 相手交換手は、該当のお客様ジャックに接続綬を挿入し接続ガでき通話が開始されます。

 昔はお客様毎にこの表示器がありました。


発電機を備えた電話機
  (明治30年)


 これが昔の手動交換の風景です。
コードの先が個人個人に割り当ててあります。
(昭和20年代)





 10.もっとモット昔    このページの先頭へ

●電話機は米国のグラハム・ベルが1876年(明治9年)に発明しました。
下の写真がベル第一号電話機です。
これで送受話機を兼用と思われます。




写真が国産第一号電話機で明治11年 に作られました。

実に発明から2年とゆう短い期間で完成できるのは国民性でしょうか!? 

(磁石式電話機第一号)




これが壁掛け式電話機です。 明治32年につくられました。
真中の円筒が 送話機で、左側にある懐中電灯みたいのが受話機です。
一番下にある 箱は送受話用蓄電池が入っています。




ハンドルを省略し受話器を上げるだけで、交換台に繋がる改良型で、共電式と呼ばれました。(明治36年製 )




上の電話機が使用されていた時代の花形職、電話交換嬢の写真です。
昔は郵政省配下でしたので、郵便局の中に交換台が設置されていました。



こんな状態が昭和40年代まで続きますが・・・・・
ある技術改革が起き大変な時期を迎えます。
(自動交換機の開発です)

自動電話交換機は、次のように発展してきました。

1952年 ステップ・バイ・ステップ交換機
1955年 クロスバ交換機
1982年 デジタル交換機(電子化)

詳細は、「ネット検索」 して下さい。
 インターネットで検索
← クリック
−eof−
では、この辺で終わります。。。。。

     【完】 
                       
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