★ はじめに ★

      今回は、高精度クリスタルヒーターのお話です   

      5GHz トランスバーター の局発をGPS従属依存でPLL化しましたが、PLLロック外れが発生して困っておりました。

        ロック外れの原因は、気温の変化によるLo-Xtalの周波数変動です。(日較差の大きいQTHですから影響大です)

      そこで、以前友人から頂いた、 QH40A (クリスタルヒーター)を使ってみました。 (2013.11.09)

      結果は★Good !、気温の変化を気にせずFBな運用を楽しんでいます。
        最近では、習志野市からのロールコールにチェックインできました。 ( 2013.12.01  21:00 ) 



       ◆◆それでは、以下にQH40A 取付の概要を紹介します◆◆  



     【1】  今回使用したトランスバーター  ( UTV-5600BⅡP ) 
                    ( マキ電機 2002年製/Lo-PLL改 ) 


  ◆ このトランスバーターの局発は、PLL化の改造をして
    ありますが・・・・これのLo-Xtalは外気温度の変化に
    影響を受け周波数が大きく変動します。(屋外設置で)

    この事が、PLLロック外れを起こしておりました。


   この対処法として、高精度 クリスタルヒーターを取付けました。

     QH40Aについは、後述しますが、ひと言でいうと、Lo水晶
     発振子に貼り付けて使う、簡易な超小型電子ヒーターです。


   ヒーターは、アルミナ(セラミック素材)で、約+40[℃]を
     保ち、Lo水晶発振子に外気影響が無いように動作します。


     ★ QH40A (このページの後半へ) ←クリック一発



  ◆ 防水ボックス(Wall-Box)に収納した状態

   蓋を閉めても、外気はボックス下部から出入りします。
   冬季は・・
   日光連山から吹きつける「男体颪」がビンビン冷却します。
   一日で 15 [℃] の日較差(気温)も珍しくありません。

   夏季は・・
   内陸的な猛暑です。
   これでは、Lo-Xtal も、安定を保てません。
   Lo-PLL化でも、ロック外れは当然なのかと・・・考え込みます

  ◆ ウォール・ボックス(Wall Box) 屋外で耐用年数 20年以上!
    いろんな使い方が想定されます・・・ABS樹脂製です。
    電材店から購入・・・・
    型番:OP14-23(旧OP-2相当品)・・・¥1,500円でした。
    エアコン配管用防水パテをサービスしてくれました。
    (不乾性・難燃性・白色・・・200gで¥100円ですが)

     日東工業商品情報サイト  ←クリック一発


  
  ◆ 2F屋上に据え付けた状態



  
  ◆ 防水ボックス下部の状態


      【2】 トランスバーターのLo-PLLユニット

  
  ◆ ケース裏蓋を開けた状態 (写真手前がフロントパネル)

    今回、高精度クリスタルヒーターを取り付ける ・・・Lo-Xtal  



  
  ◆ 今回対象の56MHz水晶発振子周辺



  
  ◆ フロントパネルの裏側


  
  ◆ 56MHz水晶発振子とその周波数微調整用コンデンサー


     【3】 高精度クリスタルヒーターについて ( QH40A ) 

  
  ◆ アルミナのセラミック基板上に構築されたサーモスタット回路
     により水晶は 0.1 ℃ の精度で 制御され 40.8 ℃ に安定化さ
     れ ます。
     しかし、OCXOの精度には届きません。


  アルミナとは高耐熱絶縁体で、高熱伝導率のセラミック材料。

 型   番  QH 40 A ( 適用水晶発振子 HC-18/u )
 動作温度  40.8 ℃ ± 1.5 ℃
 精   度  0.1 ℃
 電源電圧   + 8V~+12 V DC、安定した電圧を使用
 突入電流  80 mA
 寸   法  10.5 x 14 .0x 3.5 [ mm ]  

 [参考] 購入サイト★ Kuhne electronic ★ ←クリック一発



  
  ◆ 同梱の取扱い説明書


  
  ◆ 拡大写真 


    【4】 QH40Aの取付け概要

  
  ◆ QH40Aの取付け 

     基板にDC電源用リード線をハンダ付けします。

     セラミック基板をXtalに当てて、熱収縮チューブで固定します。
       熱収縮チューブは、ライター(lighter)であぶればOK.。
       この時、両面テープは禁物です。



  
  ③ 周波数の調整
   QH40Aが十分に暖まったら( 約 40 [℃] )・・・・・・・・・・・・・
   fo-Adj コンデンサーにより冬期環境でPLLロックが安定す
   るように調整します。( VXOの電圧 ≒ 1.6 [ V ] )

   私は、冬期夏期の環境作りに、アイスノンと整髪用ドライ
   ヤーを使いました。


    Point ! 
   このとき、「VXO」ボリュームは、目盛の中央にしておきます。
   こうすれば、[ Lo-f ] を若干ですが外部から微調整できます。
   アジャスト用トリマーコンデンサの補助として使います。



  
  



  
  


    【5】 以上で完了です 

  
  ◆ PLLロック外れは皆無で安定しています ★Good ! 



    【6】 5GHzロールコールに初参加

  
  ◆ PLLロック外れが解消し周波数も安定化したことから安心して
   
待ち受けQSOが出来ます。

   最近では、習志野市からのロールコールにチェックインできました。
   ( 2013.12.01  21:00 )

   女峰山(日光連山)反射波によるFM音声交信です。

   伝播経路トータル距離は、約173 [ km ]  でした。

  ← カシミール3Dで作図 (習志野市→女峰山→さくら市)


                                            では・・・・この辺で

                                               【完】 

                                         この記事のはじめへ


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